適格年金の仕組み

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適格年金の仕組み
適格年金とは、金融機関等(信託銀行や生命保険会社)と企業年金保険契約をして、掛金を全額損金算入できる税制適格要件を備えたものをいいます。
法人税法施行令附則第16条に適格退職年金契約の要件等が規定してあります。

①退職年金(退職年金の支給要件が満たされないため、又は退職年金に代えて支給する退職一時金を含む)の支給のみを目的とするものであること。

②事業主が信託会社、生命保険会社又は農業協同組合連合会と締結した信託契約、生命保険契約又は生命共済契約で、事業主がその使用人を受益者、保険金受取人又は共済金受取人として掛金又は保険料を払い込み、信託会社、生命保険会社又は農業協同組合連合会が当該受益者等の退職について退職年金を支給することを約したものであること。
簡単に説明すると、事業主が金融機関等と契約し、従業員を受取人として事業主が掛金を払い込み、従業員が退職した際に退職年金または退職一時金を支給する契約内容であることが要件の一つである。

③受益者等のうちに当該契約を締結した事業主である個人若しくはこれと生計を一にする親族又は事業主である法人の役員を含まないものであること。
適格年金の加入者は従業員に限られます。よって法人の役員、個人事業主、個人事業主と生計を一にする親族は加入できない。ただし兼務役員は加入することは可能である。

④予定利率は、財政再計算の時以外には変更を行わないものであること。
掛金を産出するための予定利率は財政再計算時以外には変更することはできないとしている。予定利率を変更すると掛金も代わるので、業況がよいときに節税対策として利用されることも考えられるので、5年に1回行なわれる財政再計算時のみ予定利率を変更できるとしたもの。

⑤掛金等の額及び給付の額が次に掲げる基準に合致するほか適正な年金数理に基づいて算定されているものであること。
イ.予定利率は、基準利率以上で設定されており、かつ、それが財政再計算の時における基準利率を下回る場合には、当該財政再計算の時に当該基準利率以上に変更されるものであること。
ロ.掛金等の額及び給付の額の算定の基礎とする予定死亡率、予定昇給率又は予定脱退率は、その算定の時の現況において合理的に計算されていること。

掛金及び給付額の計算は適正な年金数理に基づいて計算されていることが要件の一つとなっている。年金数理とは、年金財政が健全に運営されるように、適正な掛金率や将来の年金支払のために必要な積立金の水準を数理・統計的に算定する時の基礎となる概念や手法を総称したもので、厚生労働大臣の認定を受けた年金数理人によって行なわれる。

⑥掛金等について定額又は給与に一定の割合を乗ずる方法その他これに類する方法により算出した額によるべきことがあらかじめ定められているものであること。
掛け金については、定額または給与の一定割合等の方法によって算出した額であることが、あらかじめ定められていることが必要であり、明確なルールに従って決定しなければならない。

⑦過去勤務債務等の額に係る掛金等について、第九号ハ及びトに掲げる金額その他財務省令で定める金額を除き、次のいずれかによるべきことがあらかじめ定められているものであること。
イ.おおむね一定額の掛金等(当該掛金等の一年当たりの額が過去勤務債務等の額の合計額の百分の三十五に相当する金額以下であるものに限る。)
ロ.給与におおむね一定の割合を乗じて計算する掛金等(当該掛金等の一年当たりの額が当該契約につきその締結又は変更の時において計算したイに規定する金額以下であるものに限る。)
ハ.過去勤務債務等の現在額におおむね一定の割合を乗じて計算する掛金等(当該掛金等の一年当たりの額が過去勤務債務等の現在額の百分の五十に相当する金額以下であるものに限るものとし、過去勤務債務等の現在額が当該法人の当該事業年度の前号に掲げる掛金等の額以下となるときは、当該過去勤務債務等の現在額に相当する金額を掛金等とするものを含む。)

過去勤務債務等の掛金はその合計額の100分の35以下の一定額、または現在額の100分の50以下の一定率の金額等に定められていることが要件のひとつです。

⑧財政再計算の時において附則第十三条第一項第一号及び第二号(信託に係る退職年金等積立金額の計算の特例)の規定に準じて計算した当該契約に係る信託財産の価額、保険料積立金に相当する金額又は共済掛金積立金に相当する金額が当該契約に基づき退職年金の給付に充てるため留保すべき金額を超える場合におけるその超える部分の金額の全額を掛金等に充て、又は事業主に返還するものであること。
財政再計算時に剰余金が発生した場合は、その全額を事業主に返還しなければならない。

⑨当該契約に係る前号に規定する留保すべき金額から当該契約に係る過去勤務債務等の現在額を控除した金額に相当する金額(以下この項において「要留保額」という。)は、次に掲げる金額を除き、事業主に返還しないものであること。
イ.受益者等が厚生年金基金の加入員となつたため、又は既に厚生年金基金の加入員である当該受益者等に係る当該契約に基づく給付の額の全部又は一部を当該厚生年金基金に係る給付の額に含めるため、事業主が当該契約の全部又は一部を解除したことにより返還される金額(受益者等が負担した掛金等の額に相当する金額を除く。)のうち、当該事業主が当該厚生年金基金の加入員となつた当該受益者等の過去の勤務に係る掛金として負担する額を直ちに払い込む場合のその払込金額に相当する金額
ロ.受益者等が確定給付企業年金法第二条第四項(定義)に規定する加入者(以下この号において「加入者」という。)となつたため、又は既に加入者である当該受益者等に係る当該契約に基づく給付の額の全部又は一部を同法第三条第一項(確定給付企業年金の実施)に規定する確定給付企業年金に係る規約に基づく給付の額に含めるため、事業主が当該契約の全部又は一部を解除したことにより返還される金額のうち、当該事業主が当該規約に係る加入者となつた当該受益者等の過去の勤務に係る掛金として負担する額を直ちに払い込む場合のその払込金額に相当する金額
ハ.受益者等が他の適格退職年金契約に係る受益者等となつたため、事業主が当該契約の全部又は一部を解除したことにより返還される金額のうち、当該事業主が当該他の適格退職年金契約における当該受益者等の過去勤務債務等の額に係る掛金等として負担する額を直ちに払い込む場合のその払込金額に相当する金額
ニ.受益者等が財務省令で定める場合において所得税法施行令第七十三条第一項第一号(特定退職金共済団体の要件)に規定する退職金共済契約に係る同項第二号に規定する被共済者となつたため、事業主が当該契約の全部又は一部を解除したことにより返還される金額(受益者等が負担した掛金等の額に相当する金額を除く。)のうち、当該事業主が当該退職金共済契約における当該被共済者の同項第七号に規定する合併等前勤務期間に係る同号に規定する過去勤務等通算期間に対応する掛金として負担する額を直ちに払い込む場合のその払込金額に相当する金額
ホ.要留保額の全部又は一部を当該契約に係る信託会社等(信託会社、生命保険会社又は農業協同組合連合会をいう。以下この項において同じ。)から他の信託会社等へ移管するため、当該移管に係る金銭その他の資産の返還を受け、これを直ちに当該他の信託会社等に引き渡す場合における当該引き渡す資産の価額に相当する金額
ヘ.受益者等が確定拠出年金法第二条第八項(定義)に規定する企業型年金加入者(以下この号において「企業型年金加入者」という。)となつたため、又は既に企業型年金加入者である当該受益者等に係る当該契約に基づく給付の額の全部又は一部を当該企業型年金加入者の同条第十二項に規定する個人別管理資産(以下この号において「個人別管理資産」という。)に充てるため、事業主が当該契約の全部又は一部を解除したことにより返還される金額(以下この号において「返還金額」という。)のうち、当該事業主が各企業型年金加入者の個人別管理資産に充てるものの額を直ちに払い込む場合のその払込金額に相当する金額
ト.事業主がヘの払込みを行う場合において、返還金額のうち過去勤務債務等の現在額に充てるものの額を直ちに払い込むときのその払込金額に相当する金額

要保留額(退職年金支払いのための積立金)一部の例外を除き事業主に返還しないものであること。毎月の掛金は既に損金処理しているので、事業主に返還されることはなく、従業員の給付のためだけに使われるのです。

⑩当該契約の全部又は一部が解除された場合には、当該契約に係る要留保額は、次に掲げる金額を除き、受益者等に帰属するものであること。
イ.確定給付企業年金法附則第二十五条第三項(適格退職年金契約に係る権利義務の確定給付企業年金への移転)の規定により当該契約に係る信託会社等から同法第三十条第三項(裁定)に規定する資産管理運用機関等に移換する金額
ロ.確定給付企業年金法附則第二十六条第三項(適格退職年金契約に係る権利義務の厚生年金基金への移転)の規定により当該契約に係る信託会社等から厚生年金基金に移換する金額
ハ.当該契約に係る信託会社等から独立行政法人勤労者退職金共済機構に引き渡す確定給付企業年金法附則第二十八条第一項(適格退職年金契約に係る資産の独立行政法人勤労者退職金共済機構への移換)に規定する引渡金額
ニ.前号イからトまでに掲げる金額

適格年金契約が解約された場合の解約返戻金については、従業員の帰属する。ただし、適格年金積立資産移行先へ移行する場合を除く。

⑪給付の額は、その減額を行わなければ掛金等の払込みが困難になると見込まれることその他の相当の事由があると認められる場合を除くほか、その減額を行うことができるものでないこと。
適格年金の給付額は相当の事由があると認められなければ、減額をすることができない。

⑫掛金等の額又は給付の額その他退職年金の受給要件について、受益者等のうち特定の者につき不当に差別的な取扱いをしないものであること。
掛金や給付額、その他について、特定の従業員に対して不当に差別的な取り扱いをすることはできない。

⑬当該契約が締結されていることにより、事業主が信託会社等から通常の条件に比し有利な条件による貸付けその他これに類する利益を受けないものであり、かつ、事業主が当該契約に係る信託財産又は払込保険料若しくは払込共済掛金に係る資産の運用に関し個別に指示を行わないものであること。
適格年金を受けている金融機関等は事業主に対して、適格年金契約に伴い利益供与を行なうことはできない。契約者である事業主も積立金の運用に関する指示を行なってはならない。

⑭当該契約が相当期間継続すると認められるものであること。
従業員の福利厚生制度としてそうと期間継続する必要がある。

以上が14項目が税制適格要件となっています。

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